匿名掲示板・4ちゃんは「過激化の温床」 NY州乱射事件で報告書

有料記事

藤原学思

 米ニューヨーク(NY)州バファローで、銃により黒人10人が殺害されたヘイトクライム(憎悪犯罪)について、NY州のジェームズ司法長官とホークル知事が18日、ネット上のプラットフォーム(議論などの場所)と事件との関連をまとめた報告書を公表した。

 報告書は、「ひろゆき」として知られる西村博之氏が所有・管理する匿名掲示板「4chan(ちゃん)」を名指しで非難している。朝日新聞は4ちゃんの報道窓口を通じ、西村氏に報告書に対する見解や掲示板の規制強化についてメールで尋ねたが、これまでに回答はない。

 事件は5月、バファローのスーパーマーケットの駐車場と店内で発生。白人のペイトン・ジェンドロン被告(19)は白人至上主義的な思想に基づき、黒人を狙って行為に及んだとされ、州法上の殺人や国内テロといった罪のほか、連邦法上のヘイトクライムでも起訴された。

 被告が事件直前にネット上に残した「犯行声明」で、事件を起こす動機面で言及されているのが4ちゃんだ。犯行声明によると、被告は《白人が人種として死につつある》《黒人が不当に白人を殺している》といった根拠のない主張を4ちゃんで目にし、《真実を学んでレイシスト(差別主義者)になった》という。

 NY州当局の報告書は、「4ちゃんのようなプラットフォームが提供する匿名性、また、意味のある形でのコンテンツ管理の拒否が、差別主義的なヘイトスピーチや思想の過激化の温床となり続けている」と指摘。さらに「被告がネット上のヘイトカルチャーを信じ込むようになったのは、4ちゃんの利用と最も強く結びついている」とした。

 被告は事件の様子をカメラで…

この記事は有料記事です。残り959文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら