未来開いたふんわりアクセ 美術の力で笑顔を届けるデザイナー

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渡義人

 友人の妹の何げない一言から始めたフェルトジュエリー作り。制作を続けるよう勧める周りの声に、正谷聖子さん(45)は再就職の予定を取りやめ、起業を決意した。初めは作りたいものを作っていただけだったけど、今は人を笑顔にするのが喜びになった。

 丸めた上質のメリノウールを使い、手作業で作りあげるフェルトジュエリー。温かみがあり、つけているのを忘れる軽さも魅力だ。独学で制作を始めたのは17年前。会社もつくり、全力で走り続けてきた。

 画家だったおばの影響で、小さなころから美術の世界を目指していた。歌のように、日常的に親しめる美術ってないのかな。京都の美術大学時代、デジタル技術を駆使したミュージッククリップに衝撃を受け、WEBデザイナーになった。だが、当時は終電帰りが当たり前。体を壊し、会社を休職した。

 大学時代の友人と、息抜きで…

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この記事を書いた人
渡義人
文化部次長|大阪駐在
専門・関心分野
歴史、考古学