「日本一遠い」灯台のランプ 10cm大でも40キロ先に光届ける
近畿最北端の灯台で、明治期に建設された経ケ岬灯台(京都府京丹後市)が、国の重要文化財(建造物)に指定される見通しとなった。国の文化審議会が12日、文部科学相に答申した。指定されれば府内の国宝・重文の建造物は300件となる。
府教育委員会によると、経ケ岬灯台は1898(明治31)年12月に初点灯。建設当初とほぼ同じ建物や装置を今も使っていることが評価された。同時期に作られた石造りの物置(旧第一物置)も指定に含まれる。
担当者は「明治初期の灯台は外国人が建てたが、日清戦争後の国策でできた経ケ岬灯台は国内の技術者が手がけた。海運の発展過程を知る上でも重要だ」と説明する。
保守管理をしているのは舞鶴海上保安部。海上保安庁によると、3月末時点で全国にある灯台3118基のうち、明治期に建てられたものは64基だけだ。
白く塗装された石造りの建物の高さは13・7メートル。白い光が20秒間に3回点滅し、現在は41キロ先まで照らしている。光を遠くまで届かせるためのレンズは高さ約2・8メートル、重さ約5トン。全国の灯台のうち5カ所にしかない最大級の「第1等レンズ」だ。重厚な3連のレンズを様々な方向へ向けやすくするため、レンズを水銀の槽に浮かせる「水銀槽式回転装置」が使われている。
舞鶴海上保安部は11月1日の「灯台の日」に合わせて、今月29日午前10時から午後3時まで経ケ岬灯台を一般公開する。内部の見学のほか、職員の制服の試着もできる。先着250人には灯台記念日バッジを配る。悪天候の場合は30日に順延。実施の可否はホームページ(https://www.kaiho.mlit.go.jp/08kanku/maizuru/)で知らせる。(永井啓子)
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