本貸す人がお金払う「シェア型図書館」 関わりたくなる魅力とは

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前田智
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 本を貸し出す人がお金を払っている図書館がある。

 そんな図書館が、商店街の空き店舗、公園や飲食店の一角など、全国で少しずつ増えているという。

 お金を出しても関わりたい魅力とは――。

静岡県焼津市大阪市阿倍野区にある二つの「シェア型図書館」の試みを紹介します。

みんなの図書館さんかく

 自ら修繕する「DIY」で再生した15畳ほどの空き店舗には、壁一面に木の本棚がしつらえられている。

 本棚の各区画には、オーナーの名前を記したカードなどが置かれ、小説やエッセー、絵本やマンガなど様々なジャンルの本が並ぶ。写真などが飾られている区画もあり、区画ごとの個性が楽しい。

 週の数日、一画でコーヒースタンドなどが開店し、起業を考える人が実験的に商売ができるチャレンジショップの機能もあるという。

 静岡県焼津市の商店街の一角に2020年にオープンした「みんなの図書館さんかく」。館長で図書館を開いた一般社団法人トリナス代表理事の土肥潤也さん(27)は「区画ごとに『一箱本棚オーナー』がいるんです」と明かす。

 本を借りるのは無料(登録料のみ必要)なのに対し、本を置いているオーナーは月2千円を払っているのだという。図書館にマイコーヒーカップを置けることと店番ができることがオーナーの「特典」だ。

本を貸すことで、オーナーたちが得たもの

 図書館を続けていくにはどうするか。

 当初は土肥さんが持っている本で図書館を開こうと思ったが、1区画分の棚を借りて本を販売する「一箱本屋」の話を聞いて、希望者に有料でオーナーになってもらう仕組みを思いついた。

 お金を出して本を貸す人がいるのだろうかと思ったが、100人に聞くと、5、6人が「おもしろそう」。意外といけるのでは、と踏み切った。

一箱本棚のオーナーたちが語る魅力とは? 設立者たちが図書館開設の狙いも語ります。

 30人の目標は3カ月で達成…

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