第11回安倍氏国葬、議論に面食らった米研究者 ケネディ氏葬儀にみた一体感

有料記事国葬を考える

聞き手・池田伸壹
写真・図版
[PR]

 安倍晋三元首相の国葬が27日に行われる。現代の国家において、国葬は何のために行われるのか。長く日本政治を見つめてきた米国の日本研究の第一人者で、マサチューセッツ工科大学(MIT)教授のリチャード・サミュエルズさんに、民主主義国において国葬が果たしうる機能と役割、そして日本がそこから何を得られるかを聞いた。

インタビューシリーズ「国葬を考える」

安倍晋三元首相の国葬をめぐり、世論の賛否が割れています。首相経験者としては1967年の吉田茂氏以来戦後2例目となる今回の国葬をどう考えたらいいのでしょうか。様々な角度から有識者らに聞きました。

 ――日本政治の研究者として安倍晋三元首相の国葬をめぐる動きをどう見ていますか。

 「現在の政治の展開から目が離せない状態です。国葬は、ほとんどの国と時代において、争うべき問題にはなりません。だから、岸田内閣が国葬を決めた直後から沸き起こった国を二分する議論の激しさを予期しておらず、面食らいました」

国葬のありよう示す二つの葬儀

 ――本来の国葬のあり方を示すような海外要人の葬儀はありますか。

 「はい、二つあります。まず大統領在任中に暗殺された米国のジョン・F・ケネディの国葬です」

 ――1963年11月に行われた葬儀は米国史上初めて、テレビで中継されました。

 「はい。当時私は中学生で…

この記事は有料記事です。残り1764文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

連載国葬を考える(全18回)

この連載の一覧を見る