第3回セクハラ訴えた女性、頼ったのはユニオン 脱日本型労組の仕組み模索

有料記事資本主義NEXT 日本型雇用を超えて

江口悟 三浦惇平
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 社内の従業員でつくる「企業別労働組合」は日本に特徴的な仕組みです。現場の課題に柔軟に対応でき、会社と従業員が一体となって経済成長を支えてきました。ところが、今や労働組合に入っていない働き手が8割以上。その役割が問われ、大企業・正社員中心の組合に代わる仕組みを模索する動きもあります。

労組と無縁 交渉どうすれば

 東京都内の食品会社で部長を務めていた50代の男性は、昨年春に解雇された。

 社員40人ほどの中小企業。オーナー社長が経営を担う。担当部門の業績不振が理由とされたが、自分一人だけが、賞与を最初は8割、次は9割減らされ、その次はゼロになった。子会社への転籍や、給与が半減する平社員への降格も提示された。

 最後は自主退職するか残るか5日以内の返事を求められた。「辞める理由はない」と退職を拒むと、解雇を予告された。そのうえ解雇までの業務としてトイレなどの消毒を命じられた。実際に数日間、1時間おきに消毒をした。

 職場に労働組合はなく、一人…

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    長島美紀
    (SDGsジャパン 理事)
    2022年9月19日9時38分 投稿
    【視点】

    記事を読んで労組に関する昔の記事を検索してみると、日本で独自の発展を遂げた「企業別組合」について、2018年2月12日付の朝日新聞デジタルの記事「労組は「正社員クラブ」 非正規守らず、下がる組織率」で、日本の労組が抱える課題について指摘され

    …続きを読む

連載資本主義NEXT 日本型雇用を超えて(全12回)

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