2年後導入のデジ教科書、授業どう変わる 文科省作業部会トップ語る

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聞き手 編集委員・宮坂麻子 桑原紀彦
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 文部科学省は、2024年度から小学5年~中学3年の英語で「デジタル教科書」を先行導入し、算数・数学の25年度以降の使用を検討すると決めた。学びの姿はどう変わるのか。積み残された論点は何か。導入に向けた中間報告案をまとめた文科省の作業部会を取り仕切った堀田龍也・東北大大学院教授に聞いた。

 ――改めて、デジタル教科書を学校現場に導入する意義は何ですか

 子ども一人ひとりの特性に合わせた学びをより効果的にする、という点です。日本の学校は、学ぶ内容を「みんな一緒に」という横並びの意識が強い。他のクラス、他の子と同じ内容を勉強していれば、保護者も教員も安心、と思う。紙の教科書は、画一的に同じ内容を教える指導には適していたと思います。

 ただ、これからは「みんな同じ」ことに価値がある時代ではなくなる。人と違う独創的な発想が社会に必要になっている。そんな人材が求められる中で、学校も従来通りの教育から脱却しなければならない。デジタル教科書は、個々に応じた学びを実現するツールの一つです。

得意なところ、苦手なところを可視化

 ――具体的に、どう変わるのでしょう

 デジタル教科書では、拡大したり、音声で聞いたり、それぞれが使いやすい方法を選べます。どの子が何を学習したのか、どんなところを間違いやすいのか、連携したデジタル教材を使えば、ログ(記録)で可視化することができる。理解している子は先の課題に進み、難しい子は反復して習得する。そんな指導が可能になると期待されます。

 ただし、紙かデジタルか、二者択一の議論とは違います。一覧性や定着の面では、紙の方が優れているとも言われます。ある場面ではデジタル教科書を使い、別の場面では紙の教科書に切り替える。必要に応じて使い分けられるようにすることが大切です。

 ――2年後から、そんな授業に変わりますか

 文科省がデジタル教科書を実…

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