中国・新疆で「深刻な人権侵害」 国連高等弁務官が退任間際に報告書
少数民族のウイグル族らへの人権侵害が懸念されている中国・新疆ウイグル自治区をめぐり、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は8月31日、テロ対策や過激派対策の名目で、中国政府による「深刻な人権侵害が行われてきた」とする報告書を発表した。同日はバチェレ国連人権高等弁務官の退任日だった。
バチェレ氏は5月、人権侵害が指摘される新疆ウイグル自治区を訪れるため、国連人権部門トップとして17年ぶりに訪中。しかし、中国側はこの訪問が「交流と協力」が目的だったとし、バチェレ氏も「調査ではなかった」と説明。人権侵害を否定する中国に利用されたなどとして、人権団体などから批判を浴びた。
6月、バチェレ氏は2期目を続投せず、8月末で退任する意向を表明した。報告書は退任期限の数分前に公表された。ロイター通信によると、同氏は報告書の発表に際し、「多大な圧力」を受けていたと明らかにしたという。
報告書は、同自治区の状況を…
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- 【視点】
バチェレ氏は、いったい何を目的に中国の新疆ウイグル自治区を訪れたのでしょうか。国連人権部門のトップ、国連人権高等弁務官としては17年ぶりに中国を訪問し、人権侵害が指摘されている同自治区まで出向きながら、バチェレ氏は「調査ではなかった」と説明
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