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ヤフオク、レッドリスト出品禁止へ オオクワガタなど4千種以上

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矢田文 小坪遊
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 ネットオークションサイト「ヤフオク!」は、絶滅の恐れのある生き物の、個人での出品を禁止する。運営するヤフーが29日、明らかにした。新たに対象となるのはオオクワガタやメダカなど4千種以上にのぼる。これらの生き物のネット売買は法令では規制されていないが、生物多様性への社会的関心が高まる中、自主規制に踏み切る。

 規制は9月29日から。絶滅の恐れのある野生生物の種をまとめる環境省のレッドリストの掲載種のうち、絶滅危惧ⅠA類、同ⅠB類、同Ⅱ類の各カテゴリーに分類された絶滅危惧種と、準絶滅危惧種が対象だ。例えば、ニホンザリガニや、オオムラサキなどが含まれる。飼育下で品種改良されたメダカなどは含まない。

 さらに、特定の地域では希少な生物や、普通種でも、生態系への影響が懸念されるような大量出品、不適切な方法で捕獲された生き物なども個別に判断して規制する。

 氏名や連絡先などを公開した登録業者「ヤフオク!ストア」にも同様の規制をかけるが、人工的に繁殖させた個体は絶滅危惧種も出品できるようにした。措置の背景となった法律やレッドリストについて、ユーザーへの啓発も強化する。

 これらの措置で、生物多様性の保全と、責任ある取引ができる業者の保護を両立させ、「持続可能な取引」を進める姿勢を打ち出す。ガイドラインを改定する方針をホームページに掲載した(https://auctions.yahoo.co.jp/topic/notice/rule/post_3373/別ウインドウで開きます)。

 ネット上での生き物の取引の規制は現在もある。哺乳類、鳥類、爬虫(はちゅう)類は、動物愛護管理法で販売に対面説明が義務づけられており、ヤフオクでの出品は既に禁止されている。外来生物法による特定外来生物なども同様だ。絶滅の恐れがある生物のうち、種の保存法に基づく国内希少野生動植物種も規制されており、こうした生物の出品は違法行為として、処罰の対象になりうる。

 一方で、絶滅の恐れがある生…

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