第2回「米国は台湾を見捨てる」 ロシアと似ていた「戦時下の情報操作」
台北=石田耕一郎
ロシアがウクライナに侵攻して1週間がたった今年3月3日、「戦時下の情報操作」と題した報告書が台湾で公表された。全文、1万字余り。台湾のネット情報調査会社「IORG」(Information Operations Research Group)が作成した。
フェイクニュースに揺れる島 台湾「情報戦」を追う
台湾では、サイバー攻撃に見舞われ、フェイクニュースが出回ることが半ば日常となっています。台湾側は、中国政府の関与を疑い、統一への抵抗をくじく狙いがあるとみます。「情報戦」とも言える実態へ迫りました。
内容は、ロシアの侵攻を受けているウクライナについて、ではない。中国からの統一圧力にさらされる台湾で起きている事態を分析したものだった。
このころ、台湾のネット空間では、侵攻絡みのフェイクニュースや、根拠のない親中的な論評が拡散していた。「米国は有事に台湾も見捨てる」「今日のウクライナは明日の台湾」といった投稿もあった。
こうした情報が、どこから発せられているのか。
6700万件の情報を分析
報告書は、直前の4カ月間に…