父が残したシベリヤ抑留の日々 図書館で28日まで展示 愛知・豊橋

戸村登
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 終戦後に旧ソ連のシベリアでの4年間の抑留生活を記録した男性による「シベリヤ捕虜日記 1945~1949」が、愛知県豊橋市羽根井町の市中央図書館で展示されている。28日まで(22、26日は休館)。

 日記を残したのは、福井県出身で2004年に79歳で亡くなった佐々木康裕さん。旧南満州鉄道の車掌として働いていたが、1945年5月に19歳で現地召集され、8月に旧ソ連の侵攻で捕虜となった。約4年間、シベリアの各地を転々としながら抑留生活を送ったという。

 日記には、「軍服を着ただけの集団で歴戦のソ連兵には歯が立たぬのが実態」(8月15日)、「何故こんな目に合はねばならないのか」(8月20日)などと記されている。

 佐々木さんは49年に帰国。会社員として歩み、転勤で移り住んだ豊橋市で生涯を終えた。死後まもなく、豊橋市に住む長男順一郎さん(70)が、遺品の中から日記を見つけた。

 市中央図書館で開催中の「平和を求めて とよはし」展の今年のテーマが「シベリア抑留体験」と知り、父親の日記も展示に加えてもらおうと貸し出した。日記を公開するのは初めて。順一郎さんは「つらいこと、悲しいことが浮かんでくる書き方をしていました。地獄を見たんだろうなあと。戦争を語り継ぐため貴重なものを残してくれたと、書いてくれた父親に感謝ですね」と話した。(戸村登)

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