茨城県と佐賀県、パートナーシップ制度で連携 都道府県間は全国で初

平畑玄洋 林瞬
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 茨城県佐賀県は18日、性的マイノリティーのカップルを結婚に相当する関係と認める「パートナーシップ制度」で連携する協定を結んだ。パートナーシップ制度について、都道府県間で連携するのは全国で初めて。茨城県はさらに、同様の制度を持つ他の自治体とも連携協定を結んでいく方針だ。

 県人権施策推進室によると、差別的な扱いを受けることの多いゲイやレズビアンなど性的マイノリティーのカップルの生きづらさを解消するのが目的。青森、秋田、茨城、群馬、三重、大阪、福岡、佐賀の8府県が制度を導入しているが、国の制度ではないため、引っ越しをする場合には、転出先に書類を出し直す必要がある。

 茨城県は2019年7月に都道府県として全国初のパートナーシップ制度となる「いばらきパートナーシップ宣誓制度」を導入し、大井川和彦知事は全国知事会などの場で、他府県などに連携を呼び掛けてきた。

 同制度では、互いに協力して継続的に生活をともにすることを宣誓する書類を県に提出したカップルに、受領証を交付している。

 今回の連携協定で、茨城県と佐賀県の間で引っ越した場合は改めての申請が不要になる。それぞれの県でパートナーシップを宣誓したカップルは、家族として、病院で病状説明を受けたり、入院・手術などに同意したりできる。公営住宅への入居も申し込める。生命保険の受取人になったり、携帯電話の家族割引を受けたりすることが可能になるケースもある。

 19年に同性カップルとして茨城県の制度を利用した水戸市議の滑川友理さん(35)によると、制度の申請書類の用意などには時間や手間がかかる。それだけに「県同士の連携協定は利用する人の分母も大きく、大きな一歩」と言う。

 ただ、そもそも引っ越し先の自治体にパートナーシップ制度がない場合は、家族として扱ってもらえないケースもある。滑川さんは「これをきっかけに、パートナーシップ制度が他の自治体にも広がっていくことを願っている」と話した。(平畑玄洋、林瞬)

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