スター・ウォーズに挑んだ中3の夏 山崎貴監督が撮った幻のフィルム

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伊藤恵里奈
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 高度経済成長期の東京・下町を映画の中でよみがえらせた「ALWAYS 三丁目の夕日」などで知られる映画監督の山崎貴さん(58)。山崎さんは、中学3年生のとき、地元の長野県松本市で同級生たちと8ミリフィルムでSF映画を作った。40年以上行方不明だった幻のフィルムが、今年、発見された。

 頭に血が上った。「なんてことをしてくれたんだ」。友人たちに思わず声を荒らげた。「スター・ウォーズ」に出てくるような宇宙船を作ろうと思っていたのに、貴重な部品をこんなに適当に使ってしまうなんて…。

 高校受験を控えた1979年夏。松本市の清水中学校の木工室で、当時中学3年生だった山崎さんは同級生たちに怒りをあらわにした。

 山崎さんは同級生ら約10人と一緒に、「GLORY(グローリー)」というタイトルのSF映画を撮っていた。地球に住めなくなった人類が、宇宙探査船『グローリー号』で新たに移住できる星を探す旅に出る。その旅の途中で地球が滅亡したという知らせを受け取る……といったストーリーだ。

 グローリー号は、当時の世界的な話題をさらった「スター・ウォーズ」や「未知との遭遇」に出てくるような迫力ある宇宙船にしたい――。そう心を躍らせていた。2メートルほどの長さのベニヤ板に、プラモデルの部品を貼っていった。「プラモデルのいらない部品ありませんか」と貼り紙を学校中に掲げて部品を集めた。

高校受験の夏 親に隠れて映画作り

 だが、事件が起きた。

映画監督の山崎貴さんは、中学3年生の夏、地元の長野県松本市で同級生たちと8ミリフィルムでSF映画を作りました。記事の後半では、この映画が見つかった経緯や当時、カメラを貸した人の声を紹介します。

 「僕が風邪で学校をちょっと…

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