5万の野生種利用も政策面では価値軽視 国連「変革が必要」と警告

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矢田文
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 国連の科学者組織IPBESが、この夏、生物多様性に関する2本の報告書を出した。生物多様性の危機は続いているが、効果的な対策が打ち出せていない現状を浮き彫りにする内容だった。12月にある、国連の生物多様性条約締約国会議(COP15)でも、議論の土台となりそうだ。

 7月にドイツで開かれたIPBESの総会で、「野生生物の持続可能な利用」と「生物多様性の価値評価のあり方」の2本の報告書が採択された。それぞれ100人近い専門家が、これまでの研究成果や文献など計6千本以上を分析し、数年かけて作成した。

IPBES

IPBES 正式な名称は「生物多様性および生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム」。国連が主導して2012年4月に設立した。 現在は日本を含む139カ国が参加。地球上の生物多様性や生き物が人にもたらす恩恵などについて、世界中の専門家が集まり、科学的根拠をまとめた評価報告書を作っている。  報告書は、国連の「気候変動枠組み条約」や「生物多様性条約」に関する取り組みなどの重要な根拠として活用されている。

 「人と自然の関係には抜本的な変革が必要だ」

 野生生物の持続可能な利用に…

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