第2回「愛されるために」山上容疑者、母への渇望 「団長」へ通ずる幼少期

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【前回はこちら】重なる「日常」と「非日常」 安倍氏襲撃、待ち続けた男の部屋で

 「あそこでビールを飲んだりしてたわけやから。そう考えると恐ろしい……」。手製の銃が置かれた山上容疑者の部屋を見て、ある捜査員はそんな感情を抱きました。日常と非日常が交錯する空間で、山上容疑者は「その日」を待ち続けていました。

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 マウンドに、あの「怪物」が立っていた。1998年4月5日、第70回記念となるセンバツの準々決勝のこと。のちにプロ野球、そして大リーグで活躍することになる松坂大輔投手(当時17)だ。

 松坂投手を擁する優勝候補・横浜の対戦相手は奈良県立郡山(こおりやま)。阪神甲子園球場兵庫県西宮市)の三塁側アルプスを埋め尽くした同校の大応援団の中に、学ラン姿で声を張り上げる生徒がいた。同い年の山上徹也容疑者(41)=殺人容疑で送検、鑑定留置中=だった。

 郡山は0対4で敗北したが、「団長」とあだ名された山上容疑者は最後まで腕を振り上げ続けた。

 応援団として声を張り上げた高校時代の山上容疑者。「強くなりたくて、頑張っていたのかも」と同級生は推し量ります。山上容疑者は何を心に秘めていたのか。事件前のツイートに垣間見られました。

 「みんなに『わっしょい』っ…

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