第6回デジ庁「目的、見失ってしまわないか」 武蔵大・庄司昌彦教授の懸念

有料記事日本の選択 「黄金の3年」を問う

聞き手・女屋泰之
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 参院選に勝利した岸田政権は、衆院を解散しない限り、3年は大型国政選挙がない期間を迎えた。歴代政権が先送りしてきたものを含め、山積する政策課題にどう取り組むべきか。IT政策分野の識者に聞いた。

庄司昌彦・武蔵大教授

 今のデジタル庁には、発足当時の目的を見失ってしまわないかという懸念がある。岸田文雄政権になって、地方の活性化を含めた「デジタル田園都市国家構想」という新たな政策が加わった結果、デジタル庁のパワーが分散し、最もやるべき行政のデジタルトランスフォーメーション(DX)に割く力が弱くなってしまうという意味だ。

 もともと、デジタル庁ができたのは、行政の仕事のやり方が深刻なほど遅れていることが、コロナ禍によって明らかになったからだ。緊急事態宣言で民間で多くの方が出社を控える中でも、行政の人は出勤し、感染者の数などを集約・報告するのに紙やファクスを使って人海戦術をとっている状況だった。

 さらに、2040年問題と呼…

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