大企業に勤めているのに、今の自分と将来が不安で仕方がない20代がいます。今の「安定」が「安心」につながらない、20代の焦りの背景には何があるのか。元経済産業省の官僚で、若者のキャリア形成に詳しい古屋星斗さん(35)=リクルートワークス研究所=は、「ありのまま」でいたいが、「何者か」にもなりたい心情が同居する若者のニーズと企業が提供する待遇にずれが生じているためだと指摘します。働く20代の不安や不満を、間もなく迎える参院選にどうぶつけていくべきか。古屋さんに聞きました。
「安定」が「安心」に結びつかない焦燥 不安募るほど追い詰める自分
大手企業に勤め、安定した待遇を得て結婚もしているのに、今の働き方や将来への不安は尽きず、学び直しや仕事以外の収入を求めて焦燥する20代がいる。 会社に入ってから急速に進む働き方改革や雇用の流動化で、今の安定が将来の安心につながらない。行き場のない不安や焦りを共有する政治部記者(28)が、同学年の男女に聞いた。
――大企業で働く若手社員の中に今の生き方に不安と焦りを持っている人が多いと感じます。どう思いますか。
今の若い世代全般に言えることですが、「ゆるい職場」に不安を抱いているのだと思います。昨年、大手企業(1千人以上規模)の社員2680人にアンケートして、分かったことがありました。
アンケートで見えたことは「ゆるいから不安」
――不安の原因は「ゆるい職場」にある、と。どういうことですか。
就職氷河期世代にあたる就業…
【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら