ロシアによる「究極のいじわる」 岸田首相の行動が「刺激」の見方も

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岩沢志気 里見稔 内藤尚志 松田史朗
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 ロシアのプーチン大統領が、日本の商社も出資するロシア極東の液化天然ガス(LNG)・石油開発事業「サハリン2」の運営を、ロシア企業に譲渡するよう命令する大統領令に署名した。西側諸国と同調して制裁を強める日本に対し、ロシアは「LNG」という日本の急所を突いて、揺さぶりを仕掛けてきた。ロシアがこうした行動に出る予兆はあったが、とれる対抗手段も限られている。電力やガスの安定供給にも大きな影響が懸念される。

 「ただちにLNG輸入ができなくなるわけではないと思うが、今後、不測の事態に備えた万全の対策をとる必要がある」。1日夕、経済産業省内で報道陣の取材に応じた萩生田光一経産相はこう語った。

 政府関係者によると、ロシア側から事前説明はなく発表で知ったという。このため政府は発表内容の精査や情報収集に追われた。

 日本はこれまで、主要7カ国(G7)が主導するロシア制裁に足並みをそろえ、ロシア産の石炭や石油の段階的な禁輸を決めた。一方、日本の商社が出資するサハリン2のLNGについては「エネルギー安全保障上、極めて重要なプロジェクト」(萩生田氏)とし、撤退しない方針を維持してきた。

外務省幹部「やるなよ、やるなよ」

 石炭や石油と違って、LNGは増産の余地が少なく、サハリン2に代わる調達先をすぐに見つけるのが難しい。「長期かつ安価なエネルギーの安定供給源」(萩生田氏)として、今後もロシアからの輸入を続ける考えを示していた。

 日本の足元を見透かすかのよ…

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