第8回校則と職場の謎ルール 思考停止が招く政治への無関心 内田良さん

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聞き手・加藤あず佐
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 「有休を取った翌日に『すみません』と言う」「水分補給は隠れてする」――。多くの職場に見られる、こうした「謎ルール」をたどると、髪形や服装を細かく規定する「ブラック校則」に行き着くように思います。

 気づけば、子どものころから周りにはびこっている理不尽なルールはどうして生まれ、私たちに何を植え付けているのでしょうか。名古屋大大学院の内田良教授(教育社会学)は「身近な理不尽を変えた経験がないことが、政治への無関心にもつながっている」と指摘します。

――職場の「謎ルール」は学校の「ブラック校則」の延長線上にあるように思います。社会にはなぜ、こんなにも理不尽なルールがあふれているのでしょうか。

 ブラック校則は多くの学校にあります。そこでは理不尽に耐えるトレーニングをしているようなものです。そうした校則感覚を持ったまま大人になり、上から言われた通りに従う企業文化が作られていると思います。

 一方、学校では先生たちが「企業社会ではこうだから、学校で教えるんだ」と言い、厳しい校則指導をしています。企業の理不尽な文化を先取りして、子どもたちに強制しているのが現状です。お互いに文化をつくってしまっている悪循環があると思います。

理不尽なルールへの「慣れ」が導くものは

――こうした「ルール」は、私…

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    若新雄純
    (プロデューサー・慶応大特任准教授)
    2022年6月23日22時58分 投稿
    【視点】

    「もっと変えよう」の雪崩が起きることを、恐れるか、楽しめるか。

    …続きを読む
  • commentatorHeader
    たかまつなな
    (時事YouTuber・笑下村塾代表)
    2022年6月24日22時8分 投稿
    【提案】

    【社会を変える成功体験を学校で評価する】 選挙期間中に、校則を変えることが政治意識の向上につながるという記事が出るのは大変意義があることだと思います。私は4ヶ月ほど、イギリスやフランスなどヨーロッパの政治参加について取材をしてきました

    …続きを読む
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