「オーナーは奴隷じゃない」 24時間営業やめたセブン元店主の闘い

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吉田貴司 金子智彦
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 オレンジ、緑、赤の三色ストライプでおなじみの看板はかかっているが、店内の明かりは消え、薄暗くがらんとしている。弁当や菓子が並ぶはずの白い棚に商品はひとつもない。床には、2年半も前の雑誌が積み置かれていた。

 セブン―イレブン東大阪南上小阪店の店主だった松本実敏(みとし)さん(60)は、空っぽになった自分の店でつぶやいた。「長いものには巻かれたくない。間違っているものは間違っている、と貫き通したい」。店の外には、白い金属板を貼り付けた「壁」がある。その向こうでは、セブン本部が新たに出した店が、24時間営業をしている。

 松本さんが、フランチャイズ(FC)契約の解除無効をセブン―イレブン・ジャパンに求めた訴訟は23日、大阪地裁で判決がくだされる。

 ことの発端は、24時間営業の是非だった、と思っている。

 2019年2月、松本さんは本部の制止を振り切って深夜営業をやめた。人手不足が原因だった。アルバイトが足りず、空いたシフトを松本さん自身で埋める日々が続いた。休めるのは「年20日ほど」だった。

 松本さん側によると、「24時間営業が原則」とするセブン本部側は、契約違反だとして違約金を求めてきた。24時間営業に戻さなければ契約を解除するとも伝えてきた。

 この時は、世論の批判もあって本部側は矛を収めた。松本さんの店は、午前1~6時は店を閉める「19時間営業」となった。

 しかしその後、翌20年の元日は店を閉めると本部に伝えると事態が一変した。

 本部側は19年12月20日…

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