アマゾン配達員「荷物量が異常」、AIで決まる激務 労組結成の背景

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片田貴也
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 クリック一つで手元に届く、ネット通販大手「アマゾン」の宅配。その荷物の配達を請け負う個人事業主のドライバーが、労働組合を結成しました。

 個人ドライバーの多くはアマゾンとは直接契約を結んでいませんが、同社から配送指示を受けていることから、「使用者」としての責任があるとして、団体交渉などを求めています。

 ネット通販の拡大で、荷物量が増えて、長時間労働にもつながっています。

 現場で何が起きているのか。労組を立ち上げた2人に話を聞きました。

扱う荷物が急増、たまる疲労

 神奈川県内の50代男性ドライバーは、2019年3月、アマゾンの2次下請けの運送会社と業務委託契約を結んだ。個人事業主なので、自分の車を使い、荷物の配送を担う。

 この1年ほどで、扱う荷物の量が急増。働き方が過酷になり、疲労がたまるようになった。

 昨年9月、危機感を感じるできごとが起きた。

記事の後半では、ドライバーの働き方の実態や、個人事業主が増えてきた社会的な背景を詳しく紹介します。

 夕方6時ごろ、配達先の家の…

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    曽我部真裕
    (京都大学大学院法学研究科教授)
    2022年6月14日8時23分 投稿
    【視点】

     配送を担う働き手の法的保護の拡充が重要であることはもちろんですが、アマゾンなどECサイトを利用する私たち消費者も考える時期に来ているように感じました。  実質は労働者でありつつ、雇用法制では守られないギグワーカーの保護は何年も前から課題

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    藤井涼
    (UchuBiz編集長)
    2022年6月14日11時18分 投稿
    【視点】

    米国でもこの4月に、従業員の投票による賛成多数で初の労組結成が可決されたばかりですが、5月には賛成に投票したニューヨーク市スタテン島の倉庫の従業員とその管理者が解雇されています。この2名はアマゾン側の報復が解雇の一因になったと考えているそう

    …続きを読む