突然の「廃駅通告」に地元困惑、どうなる最北の秘境駅 北海道・稚内

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奈良山雅俊
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 「最北の秘境駅」として知られるJR宗谷線抜海(ばっかい)駅(北海道稚内市)について、稚内市が地元に「廃駅」の方針を伝えた。市との協議はコロナ禍で進んでおらず、駅の利活用へ向けた取り組みへの評価も一切ない中での突然の「通告」に地元は困惑する。駅は開業100年まであと2年だが、存続の危機に立たされた。

 通告があったのは7日の意見交換会。担当の部課長ら4人が地元の集会所を訪れ、「来年度の維持管理費を負担しない」と町内会長らに告げたという。市側は来春のJR北海道ダイヤ改定に向け、「6月末までにJR北に廃駅方針を伝える」とし、近く副市長と説明に訪れるという。

 「まるで不意打ちだ」。地元町内会の一つ、抜海町内会の森寛泰会長は戸惑いを隠さない。地元と市の意見交換会はコロナ禍で今年2月、1年ぶりに開催。その際、存廃に関する具体的な話はなかったという。

 抜海駅はJR北が2019年12月、極端に利用客が少ない廃駅対象の一つとして発表。ただし、地元自治体が維持管理費を負担すれば存続できるという条件をつけた。

 稚内市の工藤広市長は20年6月の市議会で廃駅を明言。市は8月、住民説明会を開いたが、「利用客数は少ないが知名度は全国区。観光にも十分役立つ」などの意見が出て、担当部長(当時)は「地域の合意がないままで廃止ということはない」と答えていた。

 これに対し、工藤市長は同9…

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