修学旅行中の中学生が壊した展示作 作者がコメント「重要なのは…」

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 新潟県十日町市の「越後妻有里山現代美術館MonET(モネ)」を修学旅行で訪れていた中学校の複数の3年生が、展示作品2点を壊した問題で、うち1点の作者である美術家のクワクボリョウタさんが9日、自身のツイッターを更新した。「重要なのは、生徒たちが内なる不満や怒りや欲望をさまざまな違った形で表現できるように支えること」「修復を通じて、この事件が彼らや彼らのコミュニティ、そして芸術を愛する人々に悪い爪痕を残さないよう、最善を尽くしたいと思います」などとするコメントを発表した。

 十日町市や新潟市教育委員会によると、4月21日、修学旅行に訪れていた新潟市立中学3年の複数の生徒が、クワクボさんの作品「LOST #6」とドイツ国籍のカールステン・ニコライさんの作品「Wellenwanne LFO」の破損に関与した。

 十日町市によると、ニコライさんの作品は仮復旧を経て公開されているが、クワクボさんの作品は破損の状況から公開ができず、ディレクターとの間で今後について調整中だという。事態を受け、同市は作品保護のため監視カメラを設置する予定だという。

 両作品は2012年に設置された。同美術館は、新潟県内で開催中の芸術祭「大地の芸術祭」の主要施設で、21年にリニューアルした。(大野択生)

    ◇

 クワクボさんのコメントは次の通り。

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まず、このような状況に僕が平…

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    おおたとしまさ
    (教育ジャーナリスト)
    2022年6月9日21時59分 投稿
    【視点】

    なんてすばらしいコメントでしょう。 アート作品の本質は、「もの」ではなくて、作者の魂であると。 それは壊れていないから大丈夫だと。 そしてこの事件の本質は、子どもたちの置かれた状況にあるのではないかと。 大人こそ、この事件をきっ

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