14人抜き出井氏、ソニー黄金の10年 見誤った経営、皮肉な退陣劇

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編集委員・大鹿靖明

 2日に亡くなった出井伸之さんは、ソニーの黄金時代ともいえる1995年から10年間、経営トップとして采配を振るった。

 前任社長の大賀典雄氏に抜擢(ばってき)され、先輩役員14人を追い抜いて社長に就任した。東芝と対立したDVDの規格争いでは、独自路線を追求しがちなソニーの社風のなかでも、歩み寄って統一規格を実現した。

 パソコン「VAIO」やゲーム機「プレイステーション」が大ヒット。「デジタル・ドリーム・キッズ」というキーワードで、ソニーは日本の電機業界のなかで先頭に立った。

 執行役員制度の導入など、コーポレートガバナンス(企業統治)の改革を進めた功績も大きい。

 欧州勤務が長く外国語に堪能だった。マイクロソフトビル・ゲイツ氏ら欧米の著名人とも渡り合い、洗練された国際経営者として知られた。

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