プーチン政権の内憂外患 新たな兵器・揺らぐ軍内部…キーウ再侵攻も

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 米国がウクライナへ新たな高性能兵器の供与を決めたことをうけ、ロシア国内で強硬論が勢いを増している。自国の安全保障への懸念がさらに強まったとして、ロシア軍がいったん撤退した首都キーウ(キエフ)の制圧を主張する声も出ている。ただ、消耗したロシア軍にその能力があるのか疑問視する見方もあり、プーチン政権は難しい対応を迫られている。

 「新たな策で移動攻撃の効率を高め、より迅速に軍事作戦を遂行できる」

 プーチン大統領の「盟友」と呼ばれるロシア・チェチェン共和国のカドイロフ首長は3日、ショイグ国防相とウクライナの(現政権を倒して親ロシアの傀儡(かいらい)政権をつくる)「非ナチ化」や「非武装化」について前日に協議した、とSNSに投稿。ウクライナ侵攻のスピードを速める考えを示した。

 ロシア軍は2月24日にウクライナ侵攻を開始。短期間でのキーウ制圧を想定していたが、欧米の軍事支援を受けたウクライナ軍の予想外の抵抗を受けて失敗。黒海艦隊の旗艦であるミサイル巡洋艦「モスクワ」を失うなど誤算が続いた。

 現在は侵攻の「第2段階」として戦力を東部ドンバス地方に集中させ、ルハンスク州全域の制圧に注力している。

「これは生き残りをかけた戦い」

 カドイロフ氏は、チェチェンの部隊を南東部マリウポリなどに派遣した。この部隊は現在、ルハンスク州でウクライナ側最後の拠点とされるセベロドネツク攻略にあたっている。

 今回の発言の背景には、欧米によるウクライナへの軍事支援の拡大に対する危機感があるとみられる。

 欧米では、これまでの戦闘で…

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