「国民皆歯科健診」って何? 売り込んだ議員「義務化」は真っ向否定

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村井隼人
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 政府が公表したばかりの経済財政運営の基本指針「骨太の方針」の原案に、「国民皆歯科健診の具体的な検討」との一文が盛り込まれた。この内容をめぐっては、一部メディアが「全国民に毎年の歯科健診を義務づける」と報じたことから、ネット上で賛否が飛び交う事態に。そもそも「皆歯科健診」って何なのか。なぜいま、政府の方針にとり入れられることになったのか。背景を探った。

国民皆歯科健診、考えたのは…

 まず聞いてみたのは厚生労働省。ある幹部に尋ねると、「自民党のプロジェクトチーム(PT)が骨太に『皆歯科健診』という言葉を入れたがっている」との答えだった。どうやら、政府として積極的に取り組みたい、というわけではなく、与党から働きかけがあったので文言を書き入れた、ということらしい。

 そこで今度は、自民党を訪ねた。聞くと、党内には「国民皆歯科健診実現PT」という集まりがあるという。このPTなどが5月19日、「国民皆歯科健診の実現」という提言をとりまとめていた。この提言の中に、「国民皆歯科健診の実現に向けた具体的な検討」との文言があった。これがほぼ、そのまま31日に公表された政府の骨太原案に入ったというわけだ。

 だがネット上では、この健診が「義務づける」という言葉とセットで広がった。歯科健診そのものは「病気の予防につながる」などと肯定的に評価する意見があった一方、「義務化はやり過ぎ」など反発も相次いだ。

突如浮上したのはなぜ?

 PTの中心議員に聞いてみた。「義務化するんですか」

 するとこんな答えが返ってき…

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