聞き手・太田原奈都乃
30歳を前にした男女に「痛いほどわかる」「刺さりすぎてつらい」と話題を呼んでいるドラマがあります。インターネットテレビ「ABEMA」オリジナルドラマとして配信中の「30までにとうるさくて」。恋愛、仕事、性にとさまざまに葛藤し、決断していく29歳の4人の女性のモデルとなったのは、実在の女性たちでした。企画・プロデュースした藤野良太さんは「『痛み』を脚本にしたドラマ」といいます。その「痛み」とは何か。モヤモヤを抱える働く20代の終盤には、どんな状況が待っているのか。藤野さんにドラマに込めた思いを聞きました。
――このドラマを作ろうと思ったのはどうしてですか。
最初のきっかけは「SNSで精子が個人間で取引され、トラブルが増えている」という新聞記事を読んだことです。国内の医療機関で精子提供を受けられるのは、婚姻関係にある夫婦で、夫が無精子症である場合などに限られる。国が、女性が一人で子どもを生み育てることを否定しているような気がして「おかしいな」と思いました。
「30歳までに結婚したい」と…