半世紀で地球を230周 走り続けた「ニーナ」、愛されつつ引退

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白井伸洋
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 半世紀にわたって日本の貨物輸送を担い、地球約230周分を走った鉄道車両がある。

 車両の番号は「EF66 27号機」、愛称は「ニーナ」。国鉄時代から受け継がれた中で、現役で稼働していた日本最後の車両だった。そんな記録ずくめのニーナが今春、人々に愛されつつ引退した。

 21日午後、大阪府吹田市にあるJR貨物の吹田機関区に、カメラを手に黄色いヘルメットをかぶった人たちが現れた。JR貨物が開いた有料撮影会の参加者だ。会が始まると同時に、一斉にお目当ての機関車の前に歩み出す。一番人気の車両は、「ニーナ」だった。車両には、この日のために用意された「惜別」と書かれたヘッドマーク。ニーナにとって最後の花道だ。

 独特な「顔つき」の造形や、「国鉄カラー」と言われる車体の塗装など、国鉄時代からの面影を残すことから、多くの鉄道ファンに愛されてきた。ファンの間で呼ばれる「ニーナ」の愛称は、「27号機」の27にちなんだものだ。

 撮影会に参加した群馬県の男性会社員(28)は「子どもの頃から好きでした。『惜別』のヘッドマークを見たとき涙ぐんでしまった」と話す。

 撮影会は、80分で2万7千円、100分で3万円という参加費用だったが、発売から数分で完売。人気の高さがうかがえた。

記事後半には、今回公開された「ニーナ」が動く姿や汽笛を鳴らす様子など撮影した動画、ディテールを記録した写真複数枚がご覧頂けます。

 JR貨物によると、27号機…

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