南北朝時代から明治時代初めの約500年間に加賀の国でつくられた名刀約100振りを集めた「大加州刀展」が、金沢市出羽町の石川県立歴史博物館で開催中だ。人気ゲーム「刀剣乱舞―ONLINE―」とのコラボ企画もあり、女性刀剣ファンも多く訪れている。

 江戸時代に美濃(岐阜県)から移ってきた刀工「兼若(かねわか)」の1607年の脇指(わきざし)「賀州住兼若作」(刃長47・8センチ)は、平和な世に合わせた華やかな刃文を取り入れたのが特徴だ。加賀の国で兼若がつくった最も古い作品とされる。

 「刀剣乱舞」のキャラクター「刀剣男子 加州清光」のモデルの刀は残っていないそうだが、同じ刀工の17世紀中頃の刀「金澤住藤原清光作」(刃長83・9センチ)は、凜(りん)とした直線の刃文「直刃(すぐは)」が特徴という。これを含めた清光の作品計4点も展示している。また「刀剣男子 加州清光」の等身大パネルやグッズの販売もしている。

 学芸員の野村将之さんは「昨年、コロナ禍で9日間しか開催できず、再開の要望がとても多くありました。新たに12振り追加しています」という。東京都から来たという20代と30代の女性は「清光を見るために来ました。感動しました」とうれしそうに話した。

 25、26日は展示入れ替えのため休室。観覧料は税込み大人1千円、大学生・高校生800円、中学生以下無料。6月26日まで。問い合わせは同館(076・262・3236)。(朝倉義統)

関連ニュース