海岸に立つ大きな「キャンバス」、現れたのは虹色の魚群 淡路島

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文・矢田文 写真・西畑志朗
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 夕焼けに浮かぶヤシの木の輪郭に、海と空がオレンジ色に溶けていく。時間や天候ごとに色と表情を変える淡路島の海岸。そばの防潮壁に視線を移すと、虹色の魚たちと目が合った。

 心地よい波の音に誘われて歩を進めると、たくさんの魚が悠々と泳いでいた。海の中ではなく、陸の上でだ。

 淡路島の南端に位置する阿万(あま)海岸海水浴場(兵庫県南あわじ市)。さらさらとした白い砂浜のそばに、高さ約2・5メートルの防潮壁がそそり立つ。長さ80メートルにわたるその「キャンバス」には、青、赤、黄と色とりどりの魚の群れがすき間なく描かれている。にこっと笑った顔、ぼーっとした顔、恋する顔。1匹1匹表情が異なり、味がある。

 群れが出現したのは8年ほど前。防災を学ぶ兵庫県立大の学生らが、地元の子どもたちと協力して描き上げた。一帯は南海トラフ巨大地震による津波が想定され、学生が地域に入って防災の活動を進めようとしていた。

 「大切なのは、まずは地域の人を知ること。そこで思いついたのが一緒に絵を描くという作業だった」と森永速男・名誉教授(65)は振り返る。

記事後半では、地元で人気のグルメスポット紹介や会員登録すると応募できるプレゼントもあります。

 大きな魚のうろこを模したデ…

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