八ツ場ダム完成でダム担当副町長職が廃止へ 「やっと通常の行政に」

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前田基行
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 八ツ場(やんば)ダムがある群馬県長野原町には、全国でも珍しい役職がある。

 「ダム担当副町長」だ。

 町にとって最大の懸案だったダム問題に対応しようと、32年間にわたって設けられてきた専任ポストだ。

 ただ、2020年3月にダムは完成。関連事業がほぼ完了したことに伴い、その役目を終えることになった。

 12日にあった臨時町議会で、このポストを5月末に廃止する条例改正案が可決された。

 八ツ場ダムは戦後まもない1952年に計画が浮上して以来、地元で激しい反対運動が長く続いてきた。

 町に専任ポストができたのは90年。ダム助役(当時)として置かれたのが始まりだった。もう1人いる助役とは別に、ダム助役が設置されたのは、水没住民の生活再建を前提に、ダム計画が少しずつ動き始めたころだった。

 当時の町長・田村守氏(84)は朝日新聞の取材に「水没する地区に暮らす町民の意思を幅広く聞こうと思い、専任のポストをつくった」と振り返る。

 以来、ダム関係の国や県、地元との調整役や、町民の生活再建の相談などの重責を担ってきた。

ダム対策課は「未来ビジョン推進課」に

 現在の副町長は6人目にあた…

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