国交省、小型観光船事業者に通信一斉点検の方針 知床での事故を受け

磯部征紀
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 北海道・知床半島沖で観光船「KAZUⅠ(カズワン)」が沈没した事故を受け、国土交通省は全国の小型観光船の事業者に対し、無線などの通信手段が陸上からつながるかどうか点検するよう求める方針を固めた。今回の事故をめぐっては通信手段の不備が指摘されており、事態を重くみた国交省は、再発防止のためにも一斉点検が必要と判断した。

 カズワンの運航会社「知床遊覧船」(北海道斜里町)は運航基準で、事務所にいる運航管理者と船長との連絡方法として「船舶衛星電話」「携帯電話」「業務用無線設備」を挙げていた。だが、衛星電話は壊れていたほか、運航会社の事務所では無線のアンテナが折れて受信できない状態だった。船長の携帯電話も今回の航路上はつながりにくかったとみられ、事故発生時の同船からの通報は、船長の携帯ではなく乗客の携帯からだった。

 国交省は今後、有識者らでつくる事故対策検討委員会で、船に備え付ける通信設備のあり方について検討していく方針だ。(磯部征紀)

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