米航空宇宙局(NASA)のビル・ネルソン長官のは3日、米議会上院の公聴会で、国際宇宙ステーション(ISS)をめぐるロシアとの協力体制について、「ロシアは撤退しない。プーチンがウクライナでいかに悲惨な結果をともなう戦争をしていても、(宇宙開発の)プロフェッショナルな関係を邪魔するものはない」と話した。

 ロシアの宇宙機関ロスコスモスのロゴジン総裁は4月初旬、ツイッターにISSをめぐる協力関係について、「不法な制裁が完全かつ無条件に解除された場合にのみ回復することができる」などと投稿していた。

 ネルソン氏は3日の公聴会で上院議員からロシアとの関係を問われ、「ロシアによる姿勢制御と、米国による電力生産がともになければ、ISSは運用できない」と指摘。「ロシアの宇宙飛行士が米国で訓練することもあるし、米国の宇宙飛行士がモスクワや(カザフスタンの)バイコヌールで訓練することもある」と述べ、協力関係の継続を強調した。(ワシントン=合田禄)