「国は水俣病を断ちきろうとしている」水俣病解決へ危機感と決意新た

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今村建二 大貫聡子
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 まだ終わっていない――。水俣病は公式確認から66年を迎えたが、行政が水俣病と認める審査はなおハードルが高く、全国で続く裁判では、被害者にとって厳しい判決が相次ぐ。追悼の祈りが捧げられた熊本県水俣市では1日、これからも語り継いでいくことへの決意の言葉が聞かれた。

 鹿児島と熊本の県境近く。不知火海を望む山腹の石組みの墓の前に、今年も約70人の参列者が集った。

 「乙女塚」と呼ばれるこの場所では、水俣市などが主催する慰霊式が定期的に開かれるようになった1992年より前の81年から、水俣病の裁判を闘う被害者らが独自に慰霊祭を営んできた。

 亡くなった胎児性患者の少女を含む、すべての水俣病犠牲者を悼む場に、下田良雄さん(74)の姿もあった。保健所への届け出により公式確認された4人の1人、田中実子さん(68)の義兄。慰霊祭冒頭のあいさつで「66年は長いようで、あっという間でした」と振り返った。

 自身も認定患者だが、行政に…

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