「寂しい!」と叫んだ母が施設で最期を…美輪明宏さん「きっと魂は」

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悩みのるつぼ 相談者

 先日、94歳の母が他界しました。姉と私が幼い頃に離婚し、働きづめで私たちを育ててくれました。明るく負けず嫌いで、子どもが大好きでした。

 母は貧しい家に生まれ、学校には小学3年生までしか行けませんでしたが、新聞を毎日読んで、漢字も計算も得意でした。

 晩年には孫も出来、3人で始まった生活は4世代23人の仲のいい家族になりました。

 姉夫婦と住んでいたのですが、認知症になって転倒し、大腿(だいたい)骨を骨折してから老人ホームに入りました。姉夫婦も高齢で病気を抱え、面倒を見られなくなったため、私の子を含めた家族会議で決めました。ケアマネジャーさんから「あなたたちは本当によくやってきた」と言われたこともきっかけです。

 しかし、ほどなくしてコロナ禍になり、面会も出来なくなりました。受付からタブレットでの遠隔会話も理解できず「これ何?」と混乱していました。

 そして、施設でクラスターが発生しました。「お母さんも陽性ですが、軽症です」と言われたのに、翌日「心肺停止です」「亡くなりました」と……。

 厳戒態勢で死に顔も見られず、箱に納まった遺骨をもらうだけでした。実感もなく、施設に入れたことを後悔しています。施設で「寂しい!一人はいやだ!」と叫んでいた母。この気持ちを、どう落ち着かせればいいでしょうか。

回答者 歌手・俳優の美輪明宏さん

 新型コロナのクラスター、認知症、老人ホーム……。これは現代社会を代表するような悩みですね。戦前生まれの貧しい家の人は、小学校にも行けなかった人がたくさんいます。そんななかで、新聞を読んで漢字を覚え、計算も得意で、お子さんたちを立派に育て上げられたお母様の努力は生半可なものではなかったでしょう。尊敬に値します。

 94年間のお母様の人生は素…

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