農家と働き手をつなぐアプリ好評 未経験でも「即戦力」にできるわけ

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近藤郷平
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 人手不足に悩む農家と、短期間だけ働きたい人をつなぐ人材マッチングサービスが好評だ。自動車部品メーカーの新規事業から生まれた企業が、畑違いに見える農業ビジネスに打って出た。製造業ならではの発想が強みとなっている。

 田園風景が広がる愛知県田原市。菊農家の岩本吉幸さん(49)は、約1年前から繁忙期にスマホのマッチングアプリ「農How(ノウハウ)」を使っている。主婦や会社員が平日の空いた時間や休日に植え付け作業などを担ってくれる。

 利用のきっかけは両親が高齢になり、かつてのような働き方が難しくなってきたこと。岩本さんは「おかげで、仕事の計画をうまくたてられている。人集めに苦労しており、助かっている。よくできたウィンウィンのシステムだ」と話す。

 「アグリトリオ」が手がける農Howは、農家も働きたい人も無料で登録できる。

 農家は日時や場所、作業内容、時給といった求人情報を1日単位(2時間から)で掲載できる。アグリトリオは農家が撮った動画や写真を使って作業マニュアルをつくり、求人情報とともに紹介する。農家が時給とは別に支払う1時間あたり300円の手数料が、同社の収入となる。

 野菜や果物など栽培マニュアルは100種類以上あり、順に拡充している。

 石川浩之社長(38)は、「農作業をすべてマニュアル化している点が競合と決定的に違うところ。未経験の人でも即戦力で働ける」と話す。

 競合他社との「違い」が生まれたのは、会社の成り立ちが深く関わっている。

 アグリトリオはホンダ系の大…

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