グラントワ企画展「竹久夢二と乙女たち」、きょう9日から

北村哲朗
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 島根県益田市の県立石見美術館(県芸術文化センター・グラントワ内)で、企画展「竹久夢二と乙女たち」が9日から開かれる。物憂げな女性を描き、大正から昭和初期にかけて一世を風靡(ふうび)した竹久夢二(1884~1934)は、美人画だけでなく、書籍や雑誌、楽譜のデザインなどでも時代を先取りした。その魅力を紹介する展示で、5月30日まで。

 岡山県生まれの夢二は憂いのある独特の美人画で知られるが、グラフィックデザインの領域でも豊かな才能を発揮。出版文化が花開いた時代背景とも重なり、音楽出版社の楽譜の表紙や本の装丁なども数多く手がけて人気を博した。

 夢二の描く乙女たちに当時の乙女たちが憧れ、装いに取り入れたり、夢二がデザインしたかわいいグッズを買い求めたりした。担当学芸員の川西由里さんは「若者のニーズをとらえた市民に身近なアーティストで、デザイナーとしても魅力的。センスの良さに注目してほしい」と話す。

 展示する夢二の作品は約250点。夢二が作詞した「宵待草(よいまちぐさ)」の楽譜や、1914(大正3)年に東京・日本橋に出した雑貨店「港屋絵草紙店」のチラシをはじめ、斬新なデザインの千代紙、封筒、ポチ袋などもあり、その仕事の幅広さにも驚かされる。蕗谷虹児(ふきやこうじ)や中原淳一ら、夢二に影響を受けて後に続いた画家たちの作品も含め、約400点を紹介している。

 火曜休館(5月3日は開館)。観覧料は当日一般1千円、大学生600円、小中高生300円。4月29日~5月11日は子どもウィークとして小中生は無料。問い合わせはグラントワ(0856・31・1860)へ。(北村哲朗)

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