善光寺の御開帳、7年ぶりに始まる 「前立本尊」は最長88日間公開

滝沢隆史
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 長野市善光寺で2日、秘仏である本尊の身代わりの「前立(まえだち)本尊」を宝庫から本堂へ移す御遷座式(ごせんざしき)があった。前立本尊は御開帳初日の3日午前6時から始まる「お朝事(あさじ)」で厨子(ずし)の扉が開かれ、7年ぶりにその姿を現す。6月29日まで過去最長の88日間、一般公開される。

 前立本尊が納められた厨子は、白装束をまとった男性たちに担がれて善光寺の大勧進を出発。境内をゆっくりと進み、本堂の内々陣に運ばれた。その後、前立本尊の右手の指と、本堂前に建立された回向柱(えこうばしら)が「善の綱」と呼ばれる金糸や五色の糸、白い布でつながれた。

 続いて、回向柱に魂を入れる開眼法要が営まれ、回向柱を覆っていた白い布が取り払われた。境内では大勢の参拝客が見守り、大きな拍手が起きた。法要後には早速、回向柱を触る人たちの長い列ができた。

 神奈川県茅ケ崎市の秦泉寺孝興さん(62)は、前回2015年の御開帳に続いて訪問し、1年延期された今回を待ちわびていたという。「家族の健康と幸せを祈り、早くコロナが鎮まって普段通りの生活ができるようにお願いしました」と話した。

 この日は、御開帳期間中に長野駅から善光寺までの市街地をイベントなどで盛り上げる「日本一の門前町大縁日」も始まった。長野駅前の大通りでは、「牛に引かれて善光寺参り」の伝承にちなみ、牛を先頭に約700人がパレードした。

 門前町大縁日は6月26日までの土日祝日を中心に、「長野びんずる」「松本ぼんぼん」など信州三大市民祭りの共演や、eスポーツの大会、信州ジビエの試食販売など50以上のイベントを予定している。(滝沢隆史)

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