松山出身の洋画家・八木彩霞と孫娘らの作品展 松山市内で

天野光一
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 【愛媛】大正から昭和にかけて活躍した松山出身の洋画家・八木彩霞(さいか、1886~1969年)と、ベルギー在住の孫娘の絵画を集めた展覧会が、フランス風の洋館・萬翠荘(松山市一番町3丁目)で開かれている。県美術館でも開催予定で、孫娘の縁でベルギーの美術家団体の絵画も合わせて紹介する。

 八木彩霞は横浜の小学校で教壇に立ちながら、ドイツ人画家に学んだ。その後、パリに留学し、藤田嗣治とも交流があった。萬翠荘には、八木が描いた三坂峠からの松山平野遠望と、松山藩が幕末に横浜港防衛のために築いた神奈川台場の図の壁画2点がある。

 孫娘にあたるHiRo彩霞さん(72)は、1990年ごろにベルギーへ渡航し、絵画を学んだ。今回は抽象画を出展するほか、所属するブリュッセルの美術協会の会員らの作品も展示される。

 HiRoさんは祖父について「厳格な面はあったが、ハンサムで面白い人だった。人をあきさせない人柄だと思う」と振り返る。今回の展覧会について「愛媛と欧州には芸術を通じた交流が長く続いていることを、多くの人に知って欲しい」と話している。

 展覧会は2期に分けて行われ、27日までが萬翠荘(午前9時~午後6時。初日は午後2時から、最終日は午後4時まで)。八木の壁画がある部屋などで、HiRoさんらの絵画約10点を展示する。

 30日~4月10日は、同市堀之内の愛媛県美術館(午前9時~午後6時、最終日は午後4時)で開催し、パリの風景画などの八木の作品15点のほか、HiRoさんとベルギーの画家らの作品は38点を展示する。いずれも入場無料。

 また、展覧会に合わせて県美術館で講演会も開く。3月30日午後2時=美術史家でベルギー王立美術館公認解説者の森耕治さんによる「ベルギー近代美術の巨匠たち」▽4月2日午後2時=郷土史研究家の片上雅仁さんによる「八木彩霞と萬翠荘」▽9日午後2時=片上さんによる「ベルギーと愛媛―加藤拓川を中心に」。いずれも無料で、申し込み不要。(天野光一)

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