第1回航空機「追い返せないか」 水際対策で世論気にした首相、狂った目算
森岡航平 笹山大志 小泉浩樹
岸田文雄首相はいら立っていた。
「追い返せないか」。昨年11月26日、首相官邸幹部が「今夜も対象地域から1便入るようです」と伝えると首相が言った。
この日、WHO(世界保健機関)は南アフリカで報告されたコロナウイルスの変異株を「オミクロン株」と命名。日本政府は、南アフリカなど周辺6カ国を対象に水際対策の強化を発表したばかりだった。
岸田政権の発足から約2カ月。首相の脳裏をかすめたのは、コロナ対応が「後手」に回り、政権運営が窮地に陥った安倍・菅政権の失敗だった。2022年夏の参院選を安定政権の足がかりにしたい首相にとって、まさに初めて迎える正念場だった。
「いや、全部だ」 秘書官の提案、首相は首を振った
自民党内の激しい政治抗争を…
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