老朽化する水道管、人工衛星を使って調査 市が電磁波から漏水を推定

松永佳伸
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 水道管の老朽化が全国的な課題となっているなか、岐阜市人工衛星を利用して水道管の漏水場所を推定する事業を始める。新年度一般会計当初予算案に4600万円を盛り込んだ。

JAXAの「だいち2号」を

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の地球観測衛星「だいち2号」を利用する。衛星から放射された電磁波は、地球で地下1~2メートルまで浸透し、反射して衛星に戻る。その際に、塩素を含む水道水とそれ以外の水では反射した電磁波の特性が異なるという。

 反射特性を画像から人工知能(AI)で解析し、漏水の可能性を5段階で判定する。危険性が高い箇所を優先し、現地調査して水道管の更新につなげる。

 市内にある水道管の4割にあたる約1千キロは埋設から30年以上経過している。漏水場所の絞り込みのため2年がかりで全市域を歩き、地上から音を聞き、診断してきたという。市上下水道事業部の担当者は「経年や水道管の種類にかかわらず漏水箇所が発見できる。早期修繕につなげていきたい」と話す。(松永佳伸)

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