被災者、国、ボランティア、被災地以外の人々……。震災後、異なる立場から見える風景は交差し、時にすれ違ってきた。それをつなげようと「対話」を重ねてきた人たちに聞いた。

対話自体に幸せがある 認定NPO法人カタリバ代表理事・今村久美さん 

 震災の年に、宮城県女川町と岩手県大槌町で、被災した子どもたちのための放課後学校を開きました。私にも何かできることがあるはずだ、と突っ走っていたんです。

 でも、東京から来た私たちが信用されるには、時間がかかりました。

 被災者といっても昨日まで普通に生活していた方々。当時の私は、支援を「する側」「される側」と、無意識に固定したモノの言い方をしていたようで、受け入れがたかったと思います。

「髪が抜けるほど悩んだ」という今村さんが、考え方を変えていった11年間を振り返ります。記事後半では、早稲田大学教授の松岡俊二さんが、原発をめぐる住民と東電や政府の対話について、産直サイト「ポケットマルシェ」代表の高橋博之さんが、お金だけではない生産者と消費者の関係について語ります。

 うまくいかないことが多くて、…

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