大石知事、石木ダム現場訪問 座り込み住民30人と面会

原口晋也
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 大石賢吾知事が10日、長崎県川棚町の石木ダム建設予定地を訪れ、水没予定地・川原(こうばる)地区の住民に就任のあいさつをした。「工事をいったん止めて私たちと話し合いに応じてほしい」と訴える住民に対し、知事は「しっかり調整したい」と応じた。知事が現地で住民と面会したのは2014年以来8年ぶり。

 「ダムのことで、皆さんには大変な思いをさせており、知事として心苦しく思っております」

 知事はゴム長靴、防災服姿で住民ら30人が詰める座り込みテントに近づき、こう切り出して頭を下げた。

 住民の岩下和雄さん(74)は「ダムは計画から60年たつ。一時的に工事をやめて、話し合いはできるはずだ。今までの知事は、それをしようとしなかった。私たちはいつでも応じます」と訴えた。知事は「話し合いができるようしっかり調整したい。改めて連絡します」と応じた。

 「川原をぜひ歩いて下さい。なぜ私たちがこうして一生懸命(土地を)守っているかが分かってもらえると思う」との岩下すみ子さん(73)の訴えには「本当ですね、見て回らせてもらいたい」と答えた。

 3分ほどの面会後、大石知事は取材に応じた。県が過去、就任した知事と住民が面会後ほどなく、強制測量(1982年)や県道付け替え道路の着工(2010年)に踏み切ってきた歴史について報道陣に指摘されると、知事は「(近々)決まったものは全くない。私の思いで、あいさつだけさせてもらった」と否定した。(原口晋也)

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