がん手術で1週間後に声帯を…アプリに託した自分の「声」と希望
がんや難病で声が出せなくなっても、自分の「声」で家族や友人と会話ができる――。そんなアプリがある。自らのアイデンティティーともいえる声を、1週間後に失うことが決まったある男性が、自分の「声」と希望をアプリに託した。
普段はテレビのナレーション録(ど)りなどが行われる、名古屋市東区の音楽スタジオ。愛知県春日井市の田島浩幸さん(62)は2月中旬、約7平方メートルのブースにこもり、3時間以上にわたって文章を読み続けた。
ステージ4の咽頭(いんとう)がんを患い、1週間後に摘出手術を控えていた。声帯も失う。
1月19日に診断を受けた。悲しむ様子や落ち込む姿は、家族に見せたくなかった。「命が助かるだけもうけもの」と明るくふるまい、「声はあきらめる」と覚悟を固めていった。でも、「二度と自分の声で話せなくなるのか」と、完全には未練を消せなかった。
診断の数日後、主治医から音…
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- 【視点】
過去にコエステを取材した際には、たとえば印刷されたQRコードをスマホで読み取るとアイドルの音声メッセージが聞けたり、店内放送の読み上げなどのニーズがあると伺いましたが、たしかに音声合成にはこうした活用方法もありますね。コエステのウェブサイト
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