パラ開会式で「消された」ロシア批判 途切れた通訳、動画も見られず

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北京=林望
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 4日の北京冬季パラリンピック開会式で、中国国営中央テレビ(CCTV)が国際パラリンピック委員会(IPC)のパーソンズ会長のスピーチの一部を中国語で同時通訳しなかった上、映像が中国のネット上から削除されている。多くの国民に届かなかったメッセージを、会場でじかに聞いた習近平(シーチンピン)国家主席は、何を思ったのか。

 華やかに彩られた国家体育場(通称・鳥の巣)の中央にパーソンズ氏が立ったのは、開会式が始まって1時間ほどたったころ。「今夜はまず平和のメッセージから始めなければならない」と、力強い口調でスピーチを始めた。

 パーソンズ氏は「21世紀は対話と外交の時代であって、戦争と憎しみの時代ではない」「五輪休戦決議は尊重されるべきだ」などと訴え、「我々は差別や憎しみ、無関心や衝突とは無縁の世界を目指す」と語った。

 名指しこそ避けたものの、批…

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    平尾剛
    (スポーツ教育学者・元ラグビー日本代表)
    2022年3月7日9時17分 投稿
    【解説】

    女子テニス選手の失踪およびウイグル族、香港民主化への弾圧などの人権問題を有耶無耶にしたまま開催に漕ぎ着けたオリンピックから引き続き、国際関係における中国の立ち位置を露呈させた一件だと思います。政権にとって都合の悪い情報を遮断するという姿勢を

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    吉岡桂子
    (朝日新聞記者=中国など国際関係)
    2022年3月6日14時15分 投稿
    【視点】

    「ウクライナの選手が入場した際、観客席からは中国選手団に次ぐほどの大きな拍手が起こっていた」そうです。だからこそ、パーソンズ氏が「ピース!」で締めくくった動画を削除してしまったのでしょう。中国の中にも米国に対する中国政府のさまざまな言説には

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