プーチン氏、核戦力含む特別態勢を命令 「欧米の攻撃姿勢に対抗」

ウクライナ情勢

モスクワ=中川仁樹
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 ロシアのプーチン大統領は27日、ショイグ国防相、軍参謀総長と協議し、核戦力を含むロシア軍の戦力を特別態勢にするよう命令した。北大西洋条約機構(NATO)のロシアに対する攻撃的な姿勢に対抗するとしている。「核戦力」を軍事圧力に使い始めたことで、欧米との対立はさらに激化しそうだ。

 プーチン氏は欧米が「非合法」の対ロ制裁を導入しているだけでなく、NATO指導層が「ロシアへの攻撃的な発言をしている」と批判。核という言葉は使わずに、核戦力などの意味も含む「抑止力」について特別態勢を取るよう命じた。

 ウクライナに侵攻したロシア軍は激しい抵抗にあい、被害が拡大。進軍の速度が当初の計画より遅れているとの見方もある。「核戦力」をちらつかせることで、制裁を強めた欧米を牽制(けんせい)する狙いとみられる。(モスクワ=中川仁樹)

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    沢村亙
    (朝日新聞論説主幹代理=国際政治、社会)
    2022年2月28日10時39分 投稿
    【視点】

     プーチン大統領は過去にも危機に際して核戦力を示唆してきた。しかしいったん開かれた戦火のさなかに「特別態勢」を命じるというのは、あまりにも危うく、そして、軽率だ。いまや情報の混乱そして戦況によって誤解・誤算が起きるリスクは極度に高まっている

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