淡々とした表情の奥に、こみ上げる怒りがあった。
スノーボード男子ハーフパイプ決勝。2回目の演技を終え、自身の得点が91・75点と知った平野歩夢(あゆむ)(23)は「イライラしていた」。
回転軸を斜めにして3回転し、さらに横にも回る大技「トリプルコーク1440」を含む最高難度の演技を、決勝進出12人でただ一人決めた。1位を確信していたが、豪州のライバルが2回目に出した92・50点には届かず、2位に。
「おかしいな……」。心が揺れた。
逆転を懸けた最後の3回目。頭の中には二つの選択肢があった。
2回目と同じ演技構成で挑む…
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