英半導体設計大手「アーム」の売却断念 ソフトバンクグループが発表

杉山歩
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 ソフトバンクグループ(SBG)は8日、傘下で英半導体設計大手の「アーム」を、米半導体大手エヌビディアに売却する計画を断念すると発表した。「規制上の課題に鑑み、本契約を解消することに合意した」としている。今後は、2022年度中の株式上場に向けて準備するという。

 SBGは、16年にアームを約3・3兆円で買収し、20年9月に全株式をエヌビディアに最大400億ドル(約4兆6千億円)で売却する契約を結んでいた。しかし、安全保障や公正競争の観点から、各国の規制当局が懸念を示し、昨年12月には、米連邦取引委員会が競争を阻害するとして差し止めを求める訴訟を起こしていた。

 同日に発表した、2021年4~12月期決算(国際会計基準)は、純利益が前年同期より87・1%少ない3926億円だった。韓国の通販会社クーパンなど、出資先の株価の下落が響いた。売上高は10・7%増の4兆5808億円だった。(杉山歩)

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    藤井涼
    (UchuBiz編集長)
    2022年2月8日23時41分 投稿
    【視点】

    ソフトバンクGの孫正義氏は同日の決算説明会で、Armの売却断念について多くの時間を割いて説明しました。同社ではNVIDIAと協力して解決策をいくつか提案したそうですが、規制当局に全く相手にしてもらえない状況が2〜3カ月続き、NVIDIAから

    …続きを読む