「消費者から選ばれなくなる」 再エネ調達に走り出す企業の事情

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長崎潤一郎
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 再生可能エネルギーの電気に切り替える動きは、国内外の取引先から脱炭素の要請を受ける製造業にとどまらず、消費者と向き合う小売業にも広がる。

 ローソンは今年4月から、店舗で使う電気を太陽光発電所から直接調達する取り組みを始める。親会社の三菱商事がローソン向けに発電所を約500カ所つくり、関東甲信や東海地区の約3600店に、大手電力会社の送電網を通じて供給する。発電容量は計約4・5万キロワットで、一般家庭の約9千世帯分にあたる。

 他のエリアにも取り組みを広げ、国内の全店舗の半分超にあたる約8200店への導入をめざす。「プラスチックごみ食品ロスの削減と同じように、再エネの活用が消費者の支持につながると確信している」と、唐沢裕之・経営戦略本部長は話す。

 企業が発電事業者と契約し、電気の供給を受ける仕組みは「コーポレートPPA」と呼ばれる。発電事業者が土地の確保や太陽光パネルの設置などの費用を負担するため、初期費用がかからないのが一般的だ。電気料金は通常より1割ほど高いことが多いが、再エネの電気が長期にわたって一定の価格で手に入るメリットがある。セブン&アイ・ホールディングスも2021年から、NTTグループが建てた太陽光発電所の電気をセブン―イレブンやイトーヨーカドーの一部店舗で使っている。

 企業が再エネの電気を買うには、これまでは電力会社の専用プランを選ぶのが一般的だった。その場合、すでにある太陽光や風力、水力発電所の電気を使うだけで、再エネの量そのものが増えるわけではない。

「8割超」の企業がPPAで再エネ調達

 これに対し、PPAで新たに…

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