中国で広がる「国潮」 自国の文化やブランド重視 国への自信背景に

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成都=西山明宏
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 中国西南部の四川省成都市は、日本人が抱く「中国といえば」が詰まっている街だ。パンダの繁殖基地があり、街角には火鍋の店やマーボー豆腐の店、雀荘(じゃんそう)がたくさんある。日本でも人気の三国志では蜀の首都でもあった。そんな街で、着る人が少なくなっていた中国の古代の民族衣装「漢服」が若者の間で流行し、漢服の中心地になっているという。背景をさぐると中国で広がるある現象が見えてきた。

にしやま・あきひろ 1983年生まれ。経済部などを経て中国総局員。中国経済を担当。ツイッターは@akhrnsym

 漢服は中国の人口の9割以上を占める漢民族の伝統的な服装を意味する言葉だ。中国メディアなどによると、主に漢代、唐代、宋代、明代のものがあり、それぞれデザインや色などに特徴がある。上下に分かれ、和服よりもスカートのように裾が広がっている。漢服にあわせる髪形もお団子頭のようなものなど様々で、かつらをかぶることもある。布の靴を履き、扇子や笛のような小道具、かんざしのような髪飾りなども使うようだ。

 若者の間で流行する漢服は古代のものを古着のように着るのではなく、現代のデザインも取り入れた新しいもので、ブランドも次々に生まれているという。

 百聞は一見にしかずと、成都を実際に訪れることにした。中心地にある繁華街の近くの商業施設内には、漢服ストリートといえる場所があった。10店ほどの漢服の専門店が並び、漢服を着た若者が買い物に訪れていた。

 買い物を終えて友人と店から…

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